異人たちとの夏

今年の夏、J-WAVEを聞きながら仕事をしていたとき、何かの番組で「この夏の一冊」みたいなコーナーがあって、この本をお薦めしていたのをきいて、ラジオから語られるそのあらすじがものすごく面白そうだったので、ずっと、読もう読もうと思っていたけど、すっかり秋から冬になってしまいました。

異人たちとの夏 (新潮文庫)

妻子と別れ、孤独な日々を送るシナリオ・ライターは、幼い頃死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。こみあげてくる懐かしさ。心安らぐ不思議な団欒。しかし、年若い恋人は「もう決して彼らと逢わないで」と懇願した…。

てのがあらすじなんだけど、ラジオではもっと、不思議な感じで語っていて、すごく気になったんだよね(;´Д`)
でも全然不思議な感じではなかったかな。不思議っぽい雰囲気はあるんだけれども、最初は不幸慣れしてる主人公がちょっと可笑しい感じで、ずっと欲していた両親との心安らぐ時間とかが描かれてるのもあって楽しい感じするんだけど、ある一点から急にホラー(;´Д`)ミステリーの世界へどーん
そしてそのままエンディング。

びっくりするようなどんでん返しが待ってる、みたいなこと聞いてたけど全然そんなことなかったよ?
もっと若いときに読んでれば、ウワーとびっくりすることができたのかもしれないけど。

ただ、その、両親とのシーンはどれもすごく素敵だと思った。もちろん最後の別れはほんとうに格別にイイのだけど、最初の出会いからずっと描かれてる浅草の風景がもうすべて、他のシーンが暗めなのでそれと対照的なのか、両親といる時間だけが輝いてるというか、幸せに溢れていて、とてもいいんだよねえ。

最後はすとんとオチるんだけども、意外性はないものの、台詞まわしがステキでいいなーと。恐怖を感じる異人と恐怖を感じない異人でうまく対比されてて、面白いなぁと思いました。

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