「ロード・オブ・ウォー」と「月に囚われた男」

前から見たかった映画をみよう、と思って検索窓に入力したタイトルが、この二本。

ロード・オブ・ウォー

武器商人の映画。タイトルは戦争の道、ではなく戦争の支配者という意味。
ヨルムンガンドってマンガが面白いよと友人に紹介される前からこの映画がみたかったんだ。
全体的に地味めなのかなーとおもったけど、結構派手なシーンが多くて面白かった。
いつ破滅するんだろーとハラハラしながら見てた。結婚とかフラグすぎるし…。

つうか弟イケメンすぎる(;゚Д゚) なにこの…すごい…キラキラしてる…! 弟はビジネスの相棒なんだけど、ギャングとの取引代金がお金じゃなくコカインだったとき、しょうがなく二人でコカイン吸って、それに弟はハマりすぎてしまって施設送りにされるっていうちょっとバカなキャラなんだけど、国には詳しいっぽいんだよね。フランスの旗ひっくり返せばオランダになるとか、隣の国へ行ってこいって言われた時すぐ小国の名前が出たりとか、コカインでウクライナの形を描いてたりとか。

「あんたがイヤならやめてもいいんだぜ!」とか言い出したときはフイタ(;´Д`) 取引先の大統領が、主人公のライバルの商人を捕まえてきて、ホラ撃てよ、って銃を渡してくるシーンのコトです。「じゃあ俺といっしょにやろう」ってその大統領と二人で引き金に指をかけるんですけどそれもワラタ(;´Д`)

世界で一番人気のある銃ことAK47ってよく名前聞いてたけどそれが「カラシニコフ」という名前でソ連の銃ということ、ランボー1の銃ことM60はアメリカのマシンガンということをこの映画で覚えました。あとなんとかのリボルバーが空港でひっかからないとか勘違いだどうのとかいってたけどよくわからなかった(;´Д`)
全体的におもしろく興味深くみれたんだけど、最後がなあ…ものっすごい説明台詞をペラペラと…(;´Д`) 急に何いいだすのこの子みたいな感じになってちょっと醒めちゃうよなあ。

以下ネタバレ
ずっと粘着されてたインターポールに最後捕まるんですけど(捕まる原因は自分のヘマなんだけど)、やっと捕まえてやったという捜査官に「俺の取引先っていうのはきみらの敵の敵で、きみたち捜査官のボスは世界最大の武器出荷国で、そういう国がおれらフリーランスの武器商人を使うんだ。悪魔とか罵るならせいぜい今のウチにしとけよ、時間ないから。キミはこのあと呼び出されて褒められて昇進するだろう。そのあと俺が釈放されるって聞くだろう。」とか言い出すの(;´Д`) いやもっとここに書いたより説明的よ。この説明がもっとなんとかならんかなあ。
で、釈放されて、また天職である死の商人に戻る、っていうのがオチなんだけど、そのオチはイイとおもうんだけど、ただそのことについて、あんなに丁寧に説明しなくてよかったのに…(;´Д`) だってそれまででもう十分伝わってるよ。この武器商人という矛盾ちゃんと伝わってる。

まずインターポール。「なんでお前を追うかわかるか?核兵器でも追ってればいいだろとおもうだろ?戦争では核兵器はじっとしてるだけで、10人中9人がお前の売るAK47で死ぬんだ。だからお前を24時間拘束する。意味ないと思うだろ。でも今日死ぬはずだった人たちに今日という24時間を与えることができるんだ。だからお前を拘束する。」
なんという説得力!(;´Д`)圧倒的正義! それに対して
「俺は武器を売っているけど、俺は人殺しをしていない。俺の売った銃をできれば使ってほしいけど、人はできれば死なないで欲しいと願ってる。」
って答えるんだけど、無茶苦茶だ(;´Д`) なんという矛盾!!

そして妻。両親を強盗の銃で殺された過去を持つ元モデルの妻なんだけど、武器商人ってことを隠して結婚してるのね。で、ばれたときに「法律に反することはしていない」って答えるの(;´Д`)
妻「法律に反しているかどうかではない。非人道的でしょう。」
「金じゃない、武器を売る才能がおれにはあるんだ」
妻「私の才能は容姿だけ。それも衰えてきた。すべてに失敗しても、人間失格はいやよ。」
死の商人は人間失格である、と。これはキツイ…(;´Д`) さすがにそのあと武器商人をやめるんだけど、すぐ復職する。そんなもんだよな。

最後は弟。武器の取引の最中に、難民が殺されるところを見てしまって、取引をやめようと言い出す。
「俺たちの売った武器で明日には難民がみな殺されるぞ!」しかし「俺たちには関係ない」といって取引を続行する。…んだけど、武器を積んてきたトラックの一台に手榴弾を投げ入れて弟は撃たれて殺されてしまう。兄のようにビジネスと最初からずうっと割り切れなかったんだよなー(;´Д`)つらい
そして弟の言ったとおり、その武器で大虐殺がおきた。それでさすがにドラッグで変なトリップしちゃうんだけど。ちいさな女の子が「わたしの手、生えてくる?」ってなくなった腕を見せるシーンがキツイ(;´Д`)まじでキツイ。それでも武器を売り続ける。

序盤に売った銃が使われるシーンがあって、銃を撃つシーンがスローになって薬莢がとびだすごとにチャリンチャリンとレジの音がしたりとか、ちょっと面白い描写だけど、間接的に人を殺すことでお金を得るのが武器商人であるというのがさんざん描写されてる。輸出入の方法も、ヘリ自体とそれについてるミサイルを別々にして「ヘリは人道支援に使われるので」って言って禁輸違反をごまかしたり、徹底的にグレーゾーンを行ってるっつうかもう屁理屈だよね(;´Д`) いやーこんな子供じみた屁理屈で武器を売れるなんて、いろんな世界があるもんだなーと思いました。

ところで、この曲がかかるシーンがあるんだけど、

海外ドラマの「The O.C.」や「Lの世界」でも人が死ぬシーンで使われてて、一度きくだけでものすごく印象に残る曲なんだけど、なんかのパロディなの?(;´Д`) 海外では死にはこの曲っていうセオリーでもあるの?(;´Д`)

月に囚われた男

映画が公開されてた時期は、あの「第九地区」と同じ時期で、第九地区は見に行ったけどコレは見ようと思いつつも見に行けなかったんだよね。うん。みときゃよかった。まじで。
こんなに平田広明ホーダイだったなんて…!!!(当然吹き替えで見ました)

この映画、最初から最後までずうっと舞台は月面基地オンリーです。
ものすごい低予算映画らしいですけど、基地のセットはわりとちゃんとしてるんで、そんなに安っぽくはないです。

登場人物は、ロボットのガーティと、サム・ベルだけです。サムが見る家族のビデオでチラッと嫁とか子供とか会社の人間とか映りますけど、基本、サム・ベルがサム・ベルと会話するのがメインです。平田広明が平田広明と喋っててもう平田広明ファンディスク状態!! ちなみにロボは石塚運昇さんです。おれも石塚運昇ボイスのロボがほしい!!

近未来の世界。サム・ベルはエネルギー採掘のためにルナ産業により月の裏側にある採掘基地へ3年間派遣される。通信衛星の故障のために地球との通信は録画データのやり取りを行うのみで、話し相手は人工知能ロボット・ガーティ一台のみという孤独な環境だったが、彼は愛する家族のことを想い続けて耐え凌いだ。
だが、契約満了まで残りわずかとなったある日、彼は月面で作業中に事故を起こしてしまう。基地の医務室で意識を取り戻したサムは、ガーティや本部の対応に不審を抱いて事故現場に戻り、そこで負傷したまま放置されていたもう一人の自分を発見する。
Wikipediaより)

以下ネタバレ
もう一人の自分を見つけるんだけど、お互いにもう一人の自分がなにものなのかわからないし、ロボも教えてくれないし(禁則事項です的なやつで)、お互いにキモチワルイ思いをするわけです。
作り始めた頃のことは覚えてないけどずっと模型を作り続けてる、だとか、ずっと通信機器が故障してて地球の家族と連絡がとれない状況が続いている、だとか、視聴者にわかりやすいようなちいさなエピソードがきちんと積み重ねられてて、その奇妙な感じがうまく出てて、すごく面白くて。
旧い方のサムと新しい方のサムがお互い訝しがりながら、ちょっとづつ打ち解けていく感じがいい。この状況を二人がやっと理解したとき、ロボが味方してくれるのが、この映画の独特なところだとおもう。だってこういう状況のときのロボってだいたい敵の役というか、阻止するのが役目じゃん。ロボが「ぼくの仕事は、サム・ベルのすることを助けることです」って(ノД`、)なける

さいごは、なんていうか……終わり方が第九地区っぽいんだよね。
見てる最中は、中盤がちょっと盛り上がりに欠ける感じするんだけど、お互いを探り合うような静かで奇妙な雰囲気は、きちんと終盤につながるので、見終わったときには納得の展開。
いやーもっと早く見るべきだったわ。

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