ぼっち映画大会

水曜日だレディースデーだ!と思ったら普通に映画の日だった。 というわけで朝から連続で映画3本みてきました。今週で最終の三作品です。 立てたスケジュールは

09:50  恵比寿着
10:20~ 恵比寿ガーデンシネマ「ゼロの未来」
13:00  昼食
14:00  恵比寿→平和島の移動
15:00  シネマサンシャイン平和島着
15:15~ シネマサンシャイン平和島「マッドマックス」
18:35~ シネマサンシャイン平和島「シグナル」

強行すぎる(;´Д`)しかも当日の天気予報は雨
あー…これ強行すぎて当日になって嫌になって全てをやめるパターンだ…と思ったのでツイッターで一人マッドマックスへお誘いして絶対に決行するように自分を追い込んで、ちゃんと決行してきました。
結果、大変満足した1日でありました。
以下感想。

ゼロの未来

はっきり言って難解なやつ。テリー・ギリアム監督の世界観を知った上で見るならああそういう感じね、で通じる部分があるんだけど、普通の娯楽映画として見ちゃうと、ストーリーもよくわからんしオチもよくわからんだろうな。主人公であるコーエン・レスが精神アレ気味なんで言っていることも、そのままの言葉の意味でとらえてしまえば意味不明になるだろうし、彼を助けようとするベインズリーやボブの話すこともだいたい言葉通りでとってしまうとよくわからない。
この映画は、きっと見た人それぞれに響くセリフとかがあって、それぞれがきちんと考えて解釈しないとダメなやつ。頭つかう映画。そういうやつです。万人向けじゃない。 私はなんていうのかな、見た後に余韻が残るような、何年たってもふとしたときに思い出してこうかなあって妄想できるようなやつが好きなので、こういう映画は本当に大好き。きっと何年たっても何度も思い出す映画になるなと思った。だから私の評価は近年で最高傑作レベルです。あとに書くマッドマックスも評判どおりすごくよかったんだけど、やっぱりこの映画には感じるものが多すぎるから、こっちがイイ! 以下は、「私の勝手な解釈」というか、ただ私が感じたことだけをつらつらと書いておく。 この映画にはこれが正解とかそういうのないと思う。

以下ネタバレ
コーエンは最初「エンティティ解析」っていう仕事についてるんだけど、自宅でやれば二倍の生産性があるし通勤なんていう非効率なことしなくていいし、家に”電話がかかってくる”から、出社しないでその電話を待ちたいし自宅勤務をさせてくれ、っていうの。 ああもうこれすっげえわかる(;´Д`)通勤したくなくて仕事辞めてフリーランスになった私なので、すごくわかる。コーエンの家が教会なんだけど、すごく静かなんだよ。そんで玄関あけるとちょっと頭おかしくなるレベルですごくうるさい(笑)なんか工事?の音がガンガンするし、車の音+広告の声+人の話し声と、もうとにかくうるさいの。これ秋葉原がモチーフらしいんだけど(笑)私が電車乗りたくない理由と似てるわー。
しかも会社の上司は自分の名前をずっと間違えてて何回訂正しても「クイン」って呼ぶのよな。もう最悪すぎるだろ。そりゃ嫌だよな。 で、自宅勤務が叶うんだけど、その仕事が「ゼロの定理」の解析。これがうまくいかなくて、なのに頻繁に「1時間後に解析済みデータをアップしろ」って頻繁に催促されるわ、ずっと待ってる”電話”もかかってこないしでストレスマックスでついにパソコンぶっ壊しちゃう。 あーあるよねー、仕事うまくいかないしプライベートもうまくいかないしでギャーてなること。
その待ってる電話なんだけど「人生の意味を教えてくれる」ってコーエンは信じ込んでるんだよね。そんなものはないんだけど、その電話がかかってくるのをずっと待ってるの。きっと誰かに承認されたいんだよなコレ。あなたの人生には意味があるよ、と誰かに言ってもらいたいんだよね、電話がこないから仕事にソレ求めてる感じなんだけどそれもうまくいかないわけ。認めて欲しいのわかるけど、すごくわかるんだけど、そんなものはないんだよ。っていうのに最後気づく映画なの。気づくというか何もないでいいのだ、と認める、かな。言ってしまえばそれだけの映画かも。
コーエンの「パーティは嫌いなんだ、どこに立てばいいかわからない」ってセリフがすごくイイと思ったの。もちろん言葉そのままの意味でもあるんだけど(実際パーティにイヤイヤ行くから)、日本にはカクテルパーティ文化がないからピンとこないトコロあるけど、なんだろう例えばさ、ネットで自分の意見を言うのに他の人の意見みないと自分の立場がわからない感じ?というのかな。そういうのあるじゃん。コミュニケーション過多な場だからこそ孤独を感じるってあるじゃんか。そういうセリフなんだろうなと。そう考えると、コーエンの一人称が最初のうちは「私(I)」と言わなくて「我々(We)」って言ってるんだけど、それとも繋がるし。そしてずっと来もしない電話を待ってるの。ベインズリーがその電話のことを「ただの勧誘電話だったかもしれないわよ」って言うのとかも、切ないよな。言った方はとくに意味なく言ってても、聞いた方は過剰に意味を求めちゃうってやつ。
あとね、ヴァーチャルリアルティでコールガールのベインズリーとデートを重ねるんだけど、いつも浜辺で夕暮れなのね。「なんでここの夕陽は沈まないんだ?」「だってそのほうがいいわ」「でも沈まないと寂しい」っていうような会話があって、それがもう、ホントね、くるしい(笑)。でね、ラストのカットでコーエンがひとりでその夕暮れの浜辺で、ふわっと夕陽に触れて、持ち上げて、そんで沈めちゃうの。やっと夜がくるんだよ。あーもう胸がきゅーっとなったよ。くるしい!!ずっと夕暮れでいられればいいんだけどね。フっちゃうんだよね。ボブは「もったいない」っていうけど、俺もあれは振るしかないと思う。解はそれしかなかったとおもう。
映像的なモチーフでよかったのは、公園でボブとコーエンがベンチに座って話してるシーンがあるんだけど、その後ろの大量の禁止マーク(笑)あれはいいなあ。すごい揶揄だよな。あとゲームパッドみたいなキーボード。それとタテのディスプレイ。しかもディスプレイの枠がピンクなのよなー。色遣いは全体的にすっごくかわいくてポップだった。コーエンが住んでる教会だけはセピア色。
つーかさ、他ぜんぶすっごい未来のテクノロジーなのに、電話は電話なんだよ。受話器とるアレなのよ。すごいよね、このモチーフ。あと腹が減ったからっつってピザとるのもさ。変わらない部分の残し方がすごいセンスあって怖い。何考えたらこんなことできるんだよ。ギリアム天才かよ。天才だったわ。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

文句無しだねこれは。最初から最後までずっとノンストップって感じで。まあ他にいろいろ評判は言い尽くされてるんで特にかくこともないんですけども。
4DXはめちゃくちゃ椅子ゆれれれれれれるり(;´Д`) なんかもう映画というよりは遊園地のアトラクションですよこれ。めちゃくちゃ楽しかったです。

シグナル

http://signal-movie.jp

予告編はなんかホラーな感じもするような映画なんですけども。
これなんつうのかな、あのー、昔「ロズウェル〜星の恋人たち」っていう海外ドラマがあったんですけど、アレっぽい感じ。そのくらいのSF感つか、青春SF映画っていうのかな。男2人と女1人の大学生で旅行するんですけど、SFな部分よりも、そっちの青春の部分つか、青臭い子たちのキャラがほんと雰囲気よくて。それにうまくSFを乗せてる感じ。なんかこう、うまくいかない青春の鬱屈感みたいなのが物語にうまく絡んでて、そこにさらにSFが絡んでくるのよ、いいよねこういうの、すごい好きだよ。
そういう意味では軽めのSFなんだけど、見せ方がうまくて、未知なるものに触れてしまった恐怖とか、何かよくわからないものに巻き込まれてるんだけどその全容が見えない畏怖とか、その辺の怖さの見せ方がうまくて。
物語のロジックは、中盤過ぎでだいたいオチは見えてくるんですけど、それでも最後のシーンの見せ方もうまいから、笑っちゃうよな。マトリックスっぽいの。
そもそもマトリックスのモーフィアス役の人がすごい個性あるからさ、頭からもうマトリックスが離れないわけよ。そんで最後マトリックスでしょ、笑っちゃうよ。最高です。オチわかってても期待を裏切らないっていいよな。

低予算映画にしては、カーチェイスっぽいものもあったり、どかーんみたいな画面もあって、すごいなー挑戦的だなあと思いました。低予算映画で道路使って撮影ってすごない!? あのさ、低予算映画のSFってだいたい閉塞的な感じの舞台なのよ。ざっくりいうと、どっかに閉じ込められて最後で脱出する、みたいなね。その点この映画は、映像的には中盤あたりで脱出しちゃうんだよなー。物語的なオチの驚きよりも、あれもう脱出しちゃったよ!?っていう驚きのほうがでかかったかも(笑) 個人的には、面白かったというよりも、気に入った映画。という感じです。

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