歩きすぎて疲れた

昨日いきなりディレクション業務を振られて、スケジュールきいたら結構厳しめだったのでその日のうちに営業の人と打合せしたら、明日アポとるんで、ってことになって、もうこれはラフを目の前にしていきなり具体的な話に持ち込まないとやばいなーと思って、その日中にコンテとラフを上げて、今日朝の教習所終って即効で会社行ったら「今日のアポ15時なんで、S駅で14:30に待ち合わせだよよろしく」ってメモがモニタに貼り付けてあった。
S駅って・・・。ワシが小学校4年まで住んでたところですよ、降り立つのは実に17年ぶり。懐かしすぎるとかいうレベルじゃない。ワシの最古の記憶に接続、ですよ。
何の因果かなぁと思って、降り立ってみれば、道と川は覚えてるとおりなんだけど建物が全然違う。そうか、震災で壊れたからか。。。と思いながらも、知らない建物の中に知ってる古い病院とかみつけて、やっぱり一緒だ、って思ったり。一番違和感覚えたのは、コンビニがあること。そりゃーワシの記憶の中は昭和でとまってるからなぁ。
で、無事に打合せを終えて、その場で営業マンと解散したんですけど、なんか折角ここまできたしなぁ、と思ってあたりを散策してみた。
通っていた保育園は建物は綺麗になっていたけど、遊具の場所が変わってなくてしみじみと見つめていたら、今流行りの変質者に思われそうで早々に立ち去った。すごく広くて一人で遊んでると遊具に響く電車の音が強烈に怖かった公園は今見てみれば、ものすごく小さな公園でおじいさんがぽつんとベンチに座ってた。道歩くたびに、あーこの角曲がったとこがKくんの家だったなぁとかあの先のマンション大嫌いなAちゃんが住んでたなーとかこの突き当たりの家に身体障害者でワシが引っ越す時大声で歌うたってくれたMちゃんがいたなぁとか色々覚えている事を思い出して、通っていたスイミングスクールは大きな市民会館になっていて、でもその裏にある墓地は全然変わってなくて、知ってる風景に知らない風景が混じって、来たことない町にしか見えないんだけれど、なんか記憶がフィードバックしていくとともにだんだん昔の風景と重なって見えてきて、さらにまたすごいふるい記憶がよみがえってきたりした。

自分が住んでた家が見えてきた時に、この土地を去る日、車の後部座席から後ろをみつめていた自分と、小さくなっていく家と手を振る父の映像が思い出されたときは、そのときの覚悟というか感情がぶわっと出てきて本当に震えた。
で、そのままとおりすぎようとした、っていうか一旦は通りすぎたんだけど、折角だしこれも何かの縁かなぁっていうか、電気ついてたし診療中になってるしで(家の住居部分には現在他人様が住んでますけど1Fは病院になっていてそこは父がやっている)、まぁ10年ぶりくらいに父と会いました。
受付のところから中を覗き込んで目線合わせたんだけど明らかに不振がられたうえに「初めての方ですか?」とか事務のおばさんに言われたので、名刺を渡して「これを渡してください」って。父に名刺渡さないと分かってもらえない娘。わらい。営業いった帰りだったのでほんと名刺持っててよかったと思った。
しかし、普通におじいちゃんになってて、もとからハゲてたけど白髪だしもう髪ほとんどなかったし、なんか小さくなってるし、父というより知ってるおっさん、って感じだった。第一声「ふけたなぁー」だったし。10年前に見たのは病院の中で意識不明状態だったしなぁ。それより前も全然あってなかったしなぁ。会ってたのっていつだ6年生くらいまでだな。まぁそれくらいぶりに自分の父と対面してしゃべりました。もっのすごいビックリしてたけど。
途中、ワシの子供時代に病院で事務してた人が入って来て、ちょう懐かしがられた。
父とメルアド交換して、病院も診療中だしですぐに出てきた。しゃべってたの10分くらいかなぁ。立ち話だったし。ワシもちょう忙しいし。寄り道とかしてる場合じゃないんだよ。

実際特に感慨ってのはなかったけど、年月がたつと普通に、なんつうか父と娘ではない感じでしゃべれてしまって、なんていうんだろうな。名刺渡して「もう辞めるけどねーHEHEHE」って言っても母みたいな心配とか説教とかしないし「もったいないなぁ、どうすんの?それで」って普通に会話が続いていって「東京に行くよ、会社決まったから」って言ったら「そうか、がんばれー、君さーちょっと大阪弁しゃべってみなよーってバカにされるから」って冗談につながっていくところとか、なんかね。父だけど親じゃないんだな。一緒に生活してこなかったからこそ、変な親っぷりがなくて父という違和感を感じるんだよねー。
変なのー、と思いながら帰った。

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